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千葉県での高病原性鳥インフルエンザ発生箇所の防疫作業 ~代表・大邑の体験談~

千葉県での高病原性鳥インフルエンザ発生箇所の防疫作業  ~代表・大邑の体験談~

2020年の12月。千葉県の太平洋側地域にて、高病原性鳥インフルエンザが発生しました。いすみ市で発生した鳥インフルエンザは、県内を北上する形で感染が飛び火していき、60km以上離れた横芝光町や匝瑳市、旭市まで到達。翌年の3月29日に防疫措置が完了するまでの間に400万羽もの殺処分が行なわれるなど、国内では過去に類を見ない大規模な感染となりました。

弊社エバーグリーンの代表である大邑は、自身が理事を務める一般社団法人「日本特殊清掃隊」の一員として、千葉県庁から依頼される形で鳥インフルエンザ発生箇所の防疫作業に参加。2月の中旬から3月の末までおよそ40日もの期間、弊社スタッフとともに、鳥インフルエンザが発生した農場等での洗浄等作業に従事しました。

防疫作業においては清掃のプロとしてエバーグリーンが培ってきたノウハウを存分に発揮し、さらには協力会社のみなさまからも人材支援を賜ることで、無事、県より依頼された任務を達成することができました。

今回は千葉県での高病原性鳥インフルエンザ発生箇所の防疫作業の実態や感じた気持ち、作業で得た専門業者としての知見について、弊社代表の大邑からお話させていただきます。

ーー千葉県の鳥インフルエンザ発生箇所での防疫作業に参加するに至った経緯は?

2月の中旬頃に千葉県の農水産課から日本特殊清掃隊に依頼があって、作業に参加することになりました。

ですが実はその前の1月中旬頃に、先に防疫作業に携わっていた知り合いの業者から頼まれる形で、何日間か防疫作業に参加していまして。なので、どのような作業をするのかはある程度知っていたんです。千葉県の担当者にもその旨を話したら「それなら話が早い、ぜひ協力してください」と。

千葉県で起きた鳥インフルエンザは前例がほとんどないほど規模が大きくて、県庁の農水産課以外の部署の方たちも作業に加わるという状況だったんです。それでも人手が足りなくて、私たちのような民間業者にも特命作業という形で声がかかった次第です。

ーー防疫作業に携わった期間や場所、具体的な作業内容は?

洗浄作業の様子

防疫作業には2月の中旬から3月の末頃まで、だいたい40日間ほど参加しました。ひとつの農場あたり数日かけて作業して、終わったらまた別の農場で作業する、という形です。大きい所だと奥行100mくらいで3階建て、しかも1フロアあたり4~5段のケージが5列も並んでいる、というようなスケールの鶏舎もあったりしました。

一日の流れとしては、まず朝、公民館や体育館などの公共施設に設置された、サブステーションという待機や着替えなどを行なう拠点に集合します。集合したら県の職員から、その日の作業場所や内容の指示を受けて。防護服に着替えるなど感染対策の装備をして、シャトルバスで現場に向かい作業を行ないます。お昼の時間になるとまたシャトルバスが迎えに来るので、一旦サブステーションに戻って昼食をとり、また現場に戻って夕方まで作業して…というルーティンでした。

作業は大きく分けて2つありました。1つ目が殺処分した鶏の処理、2つ目が鶏を処理した後の鶏舎の洗浄作業です。

鳥インフルエンザが発生した場合、農場内にいる全ての鶏を数日以内に殺処分するルールになっています。殺処分は、鶏を数羽ずつ大きなバケツに入れて蓋をして、ガスを注入するのを繰り返す形で行なわれます。

殺処分については、県や自衛隊が行ないました。私たちが担当したのは、そうやって一斉に殺処分した鶏を鶏舎から運び出し、農場の敷地内に整備された処分場まで運ぶ作業です。これについては特別なスキルは特に必要なく、ひたすらマンパワーで取り組みました。

次に、鶏を処理した後の鶏舎内やケージは当然、鶏の羽やら糞、ホコリが大量に残っています。これらを高圧洗浄機で洗浄する作業も、私たちは請け負って取り組みました。特にケージについては何段もの高さがあるので、高所で作業を行なうスキルを持った人材がたくさん必要になりまして。日本特殊清掃隊の協力会社にもお願いして、そういった作業に対応できる人材を融通していただきました。

ーー防疫作業で大変だったことは?

洗浄後の鶏舎内の様子

防疫作業に関わるのはこれが初めてでしたが、先ほど言ったとおり鶏の死骸の運搬はマンパワーさえあれば対応できる作業でしたし、高圧洗浄機での洗浄は清掃の専門業者としてのスキルが活かせる作業だったので。協力会社からのサポートもいただきながら、きちんと対応できたと思います。

また、鳥インフルエンザという病についても、千葉県庁から事前に「日本では過去、発症例は報告されていない」旨を教えていただいていたので、恐怖心はありませんでした。感染可能性がほぼ無いとしても、現場は鳥の羽や糞、ホコリが大量に舞う状況なので、自前で面体を用意するなど万全の備えで作業していましたし。なので、そういった意味でも不安なく作業できたと考えています。

それよりも、先ほどお話したように今回は千葉県庁の各部署から応援がきていましたが、中には通常の業務終了後にスーツ姿で駆けつけて、急いでサブステーションで防護服に着替えて…というような方もいましたし、文字どおり24時間体勢で対応されていたので、県庁の方々がずいぶんご苦労されていたように思います。

あと覚えているのは、とある農場では鳥の死骸の焼却が間に合っていなくて、鳥の死骸を一時的にボックスに入れて屋外に積んでいたんですね。すると、3月頃とはいえ暖かい日もあったりしたので、中で腐敗してガスが溜まり、ボックスの蓋が空いてしまうこともあったんです。そうなると辺りには強烈な腐敗臭がただよってしまって…。なんてこともありました。それは大変でしたね。

鶏の死骸の一時保管の様子

ーー防疫作業から得た知見は?

サブステーション内の様子

先にお話ししたとおり、防疫の作業自体は我々がすでに持っているノウハウを活用できたので、これといって新しい知見というのはありませんでした。それよりも、今回は日本特殊清掃隊として、多くの協力企業から人材を送っていただいたので、そういった方たちにどうやって指示を出せば作業が円滑に進むかを考え実行する、いわばマネジメント的な部分で、とても良い経験になりました。

私たち日本特殊清掃隊は、全国各地を対象として、特殊清掃等の作業が必要な人々や現場の力になることを目標に活動しています。そのためには今回のように、協力会社など外部のマンパワーを活用するケースも今後多くなっていくはずです。せっかく来ていただいた人たちの力を最大限発揮していただき、作業を効率的に進めるには、我々が高いマネジメント能力を持っている必要があるんです。

そうした点では今回の件は私自身も、また日本特殊清掃隊やエバーグリーンのスタッフにとっても、非常に勉強になった機会だったなと思いますし、おかげさまで千葉県からも感謝状を頂戴しましたので、千葉県からの期待にもお応えすることができたのかなと安心もしています。

千葉県から頂戴した感謝状

大邑政勝

この記事について

監修

大邑政勝

  • 家財整理専門会社エバーグリーン 代表
  • 一般社団法人 家財整理相談窓口 理事
  • 一般社団法人 日本特殊清掃隊 理事

特殊清掃、遺品整理、火災現場復旧など10年にわたる現場経験と多種の資格を有し、豊富なノウハウで顧客第一のサービスの提供に努める。

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