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新型コロナウイルスの感染予防や適切な消毒方法をダイヤモンド・プリンセス号の除菌を行ったプロの目線で解説します

新型コロナウイルスの感染予防や適切な消毒方法をダイヤモンド・プリンセス号の除菌を行ったプロの目線で解説します

新型コロナウイルスへの対策としては、人の集まる空間での定期的な消毒作業が重要です。オフィスや事務所などで消毒作業を行っている方も多いと存じますが、消毒作業は正しい方法で行わないと効果が十分に発揮できなかったり、場合によっては人体に害を及ぼしてしまう危険性もあります。

そこで今回は、新型コロナウイルスの感染経路や、オフィスや事務所での新型コロナの消毒に関して知っておくべき知識、適切な消毒方法を分かりやすく解説していきます。

新型コロナウイルスの消毒に関して知っておいてほしいこと

新型コロナの主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」

新型コロナの主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」

新型コロナの主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」であると考えられています。飛沫感染とは、咳やくしゃみ、会話などによって生じる「しぶき」を吸うことで起きる感染であり、感染予防対策としてマスク着用が推奨されているのは、飛沫感染をしない・させないための対策になるためです。

接触感染とは、ウイルスが付着した物に触れた手で手や鼻、目、口などの粘膜を触ることで起きる感染です。例えば紙やティッシュペーパーは3時間、プラスチックは3日間、紙幣は4日間、付着したウイルスが生存するという調査結果が示されており、日常的かつこまめな消毒が感染対策として重要であるとされています。

消毒剤の空間噴霧は不十分、害のある可能性も

消毒剤の空間噴霧は不十分、害のある可能性も

新型コロナが流行して以降、消毒剤を空間噴霧する様子が「新型コロナ対策」としてテレビ等で紹介されたり、「空間除菌」などと謳った商品・サービスが売り出されていたりしています。しかし、主な感染経路が飛沫感染と接触感染であることを考えると、空間に消毒剤を噴霧するだけでは、消毒効果を十分に得られるとは言い難いです。

また、世界保健機関(WHO)でも、以下のとおり空間噴霧は基本的には推奨しない旨の見解が示されています。

・「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の(空間)噴霧や燻蒸をすることは推奨されない」

・「路上や市場と言った屋外においてもCOVID19やその他の病原体を殺菌するために空間噴霧や燻蒸することは推奨されない」

・「消毒剤を(トンネル内、小部屋、個室などで)人体に対して空間噴霧することはいかなる状況であっても推奨されない」

これらのWHOの見解に基づき日本の厚生労働省も、消毒剤等を「人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所で」空間噴霧することは非推奨としており、薬機法上の「消毒剤」としての承認事例も現時点ではありません。

つまり、消毒剤の空間噴霧は新型コロナ対策としては不十分であり、場合によっては人体に害があるため行う場合は適切な取扱いが必要である、ということです。

業者が行う消毒作業は「拭き消毒」が基本

業者が行う消毒作業は「拭き消毒」が基本

きちんとした消毒作業を業者が行う場合、消毒剤等の空間噴霧ではなく、後ほどご紹介する「拭き消毒」が作業の基本になります。また、空間噴霧を合わせて行う場合もありますが、揮発性があり引火の危険性があるアルコール系の消毒剤や、人体に害のある次亜塩素酸ナトリウム水溶液の消毒剤は、基本的には使用しません(状況により使用する場合もあります)。

消毒剤の空間噴霧はまったく効果が無い、というわけではありません。しかし、適切な対応をせずに、例えば空間噴霧のみで作業を終わらすような業者があったとしたら、新型コロナ対策としては不十分であると思っていただいた方が良いでしょう。

なお、エバーグリーンでは、拭き消毒による消毒作業後の仕上げとして、善玉菌による空間の清浄化を目的とした空気浄化剤の噴霧を行っています。こちらは、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムの薬剤噴霧とは異なり、人体への悪影響が無い作業となっています。

「エチルアルコール」と「メチルアルコール」の違い

新型コロナウイルスの消毒や除菌については、厚生労働省が下表のとおり有効な方法を示しています。

方法モノ手指現在の市販品の薬機法上の整理
水及び石鹸よる洗浄
熱水×
アルコール消毒液医薬品・医薬部外品(モノへの適用は「雑品」)
次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素系漂白剤)×「雑品」(一部、医薬品)
手指用以外の界面活性剤(洗剤)-(未評価)「雑品」(一部、医薬品・医薬部外品)
次亜塩素酸水(一定条件を満たすもの)-(未評価)「雑品」(一部、医薬品)
亜塩素酸水-(未評価)「雑品」(一部、医薬品)

これらの中で、日常的な対策としてよく使われるのは「アルコール消毒液」でしょう。消毒用のジェルやスプレー等として商品化されているものを購入する方が多いと思いますが、場合によっては薬局等で原液を買い、希釈して使用することもあると思います。

薬局等で原液を買う際に気を付けていただきたいのが、「エチルアルコール」と「メチルアルコール」の違いです。

まず、新型コロナ対策も含め、消毒を目的として使われるのが「エチルアルコール」です。薬局等では「無水エタノール」あるいは「消毒用エタノール」といった名称で売られています。

一方で「メチルアルコール」は、主な用途はアウトドア用バーナーなどの燃料であり、薬局等でも「燃料用アルコール」や「工業用アルコール」などの名称で売られています。こちらは、消毒のために使うのは不適切であるばかりか、量によっては吐き気やめまいなどの意識障害、場合によっては失明などの重篤な症状を引き起こす危険性があります。

同じ「アルコール」という名前でも、「燃料用アルコール」や「工業用アルコール」などのメチルアルコールは、消毒には絶対に使用しないこと。消毒目的ならば「無水エタノール」や「消毒用エタノール」を使うこと。このことを覚えておいていただきたいです。

石鹸による手洗いも新型コロナ対策として有効

石鹸による手洗いも新型コロナ対策として有効

新型コロナ対策と聞くと、何となくアルコール消毒のイメージが強く、石鹸による手洗いはあまり効果がないのでは?と思われることがあります。しかし、決してそのようなことはありません。手や指に付いたウイルスに対しては、手洗いはとても重要な対策となります。

まず、流水による15秒の手洗いだけで、手や指に付いたウイルスを1/100にまで減らすことができます、加えて、石鹸やハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐことで、1/1万にまでウイルスを減らせます。しっかりとした手洗いができれば、その後にアルコール消毒液等で消毒をする必要はありません。

自宅はもちろん会社や駅のトイレなど、手が洗える場所ではしっかりと手洗いをすること。手洗いができない場所ではアルコール消毒をすること。ウイルスが付着しやすく、飲食の際に口元に持って行くことも多い手指のウイルス対策を、日頃から意識しておくようにしましょう。

コロナウイルスの除菌に適切な対策

新型コロナウイルスへの適切な対策①「換気」

新型コロナウイルスに対して日常的にできる適切な対策としては、「換気」と「拭き消毒」の2つがあります。まず「換気」についてご説明しましょう。

オフィスなどの「三密」(密集、密接、密閉)が発生しやすい空間では、空気中に存在するウイルスによる感染リスクが高まります。よって、ドアや窓を開けることで空気を入れ替えることが重要です。

機械換気がある場合には、それをしっかり活用しましょう。ビルの管理会社に問い合わせるなどして、換気能力について確認しておくと安心です。

機械換気がない場合には、閉じる必要がないドアや窓を、できるだけ開けっ放しにして、自然換気を促しましょう。空調を効かせるなどの都合でドアや窓を閉める部屋であっても、1時間に2回以上、1回あたり5分以上、ドアや窓を開けて空気を入れ替えるようにしてください。

換気の際には、空気の流れを作るために、ドアや窓を2か所以上、できれば対角線上の2か所を開けるようにしましょう。1か所しか開けられない場合には、サーキュレーターを設置するなどして、空気の排出を促進すると効果的です。

新型コロナウイルスへの適切な対策②「拭き消毒」

次に「拭き消毒」についてご説明します。オフィス等にある機器や備品、ドアノブや手すりなどの共有部分、トイレなど、不特定多数が触れるものや場所について、最低でも1日1回、拭き消毒を行うようにしましょう。

拭き消毒には、機器や備品など比較的小さなものを拭く場合には、市販の除菌シートでも十分ですが、テーブルやイス、オフィス内の共有部分など広範囲を消毒したい場合には、次亜塩素酸ナトリウム溶液もしくはアルコール消毒液(「無水エタノール」あるいは「消毒用エタノール」など)を用意し、使い捨てのペーパーふきんやキッチンペーパー等で行うと良いです。次亜塩素酸ナトリウム溶液は0.05%、アルコール消毒液は70~95%の濃度で使用してください。ここでは、ご家庭で入手しやすいものの例をご紹介しておきます。

消毒液の作り方

メーカー商品名作り方
花王ハイター水1リットルに本商品25mL(付属のキャップ1杯)
花王キッチンハイター水1リットルに本商品25mL(付属のキャップ1杯)
カネヨカネヨブリーチ水1リットルに本商品10mL(付属のキャップ1/2杯)

拭き消毒のやり方

消毒液にペーパーを浸す際には、消毒液が少なくなり過ぎないよう、固く絞り過ぎないのがポイントです。消毒液に浸したペーパーを片手で握り、消毒液がしたたり落ちない程度の状態で拭くようにしましょう。

拭き消毒を行う際には、イスの背もたれやテーブルのへり、書架の取っ手など、人の手が触れやすくウイルスが付着しやすい箇所を念入りに。掃除のようにタオル等をゴシゴシと往復させるのではなく、一方方向に拭き上げる形で消毒してください。例えば机の上を拭きたい場合は、机の左上にペーパーを置き、左から右に向かって拭きます。右端に着いたらペーパーを一度机から離し、最初に吹き始めた場所の下から、また同様に右に向かって拭きます。

ペーパーの消毒液がなくなってきたら、また消毒液に浸すのではなく、必ず廃棄して新しいペーパーを使うようにしましょう。テーブルひとつを拭き上げたら新しいペーパーに替える、といった具合に、常に新しいペーパーで拭き上げることを意識してください。

なお、オフィス等で新型コロナ感染者が出た場合は、所管の保健所から消毒作業を行うよう指示が出されることがあります。具体的な作業方法については保健所から案内されますが、基本的には、ここまでご紹介してきた拭き消毒を徹底的に行うことになります。

菌が付着しやすい箇所の一例

より詳しい除菌方法について、弊社が取材を受けた動画で解説しております。

新型コロナの消毒作業は専門業者に依頼しよう

ここまで、今回は、新型コロナウイルスの感染経路や、オフィスや事務所での新型コロナの消毒に関して知っておくべき知識、適切な消毒方法について分かりやすく解説してきました。

新型コロナの日常的な消毒作業においては、消毒剤の選び方や拭き消毒の仕方、換気の方法や頻度など、正しい知識をもって適切な方法で行うことが重要です。

一方で、例えば新型コロナの感染者が出てしまったり、あるいは徹底的に消毒をしたい場合などは、自分たちで作業するよりも専門業者に依頼した方がより安心です。

エバーグリーンは、新型コロナの感染予防および感染者が出た施設の除染について専門的なノウハウを保持しており、ダイヤモンドプリンセス号での除染作業にも参画するなど確固たる実績も有しております。

新型コロナの消毒作業についてお悩みの方はぜひ、エバーグリーンまでご相談ください。

大邑政勝

この記事について

監修

大邑政勝

  • 家財整理専門会社エバーグリーン 代表
  • 一般社団法人 家財整理相談窓口 理事
  • 一般社団法人 日本特殊清掃隊 理事

特殊清掃、遺品整理、火災現場復旧など10年にわたる現場経験と多種の資格を有し、豊富なノウハウで顧客第一のサービスの提供に努める。

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