• 現場からの声

お客様の困ったり不安な気持ちを払拭できると「良かったな」と感じます〜社員インタビュー 篠原 澄成〜

お客様の困ったり不安な気持ちを払拭できると「良かったな」と感じます〜社員インタビュー 篠原 澄成〜

弊社エバーグリーンでは、様々なバックグラウンドを有したスタッフが特殊清掃や家財整理の作業に従事しています。特殊清掃や家財整理の現場は、人様の生活と密接な関わりを持っており、ひとつとして同じものがなく、毎回の作業で様々なことを知ったり、感じたり、学んだりします。

エバーグリーンではどのような人が働き、日々どのようなことを考えているのか。それを知っていただくことも、特殊清掃という仕事について知っていただくことにきっとつながる。そうした想いを込めてスタッフインタビューを行い、コラム記事としてご紹介します。

今回は、元・自動車メーカーの営業マンであり、今年の秋にエバーグリーンに転職したばかりの新鋭スタッフである篠原さんのインタビューをご覧ください。

ーー10数年も続けた自動車メーカーの営業マンの仕事から転職した理由は?

理由は2つあります。1つが、この先の未来を見据えた時に、自動車メーカーの営業マンという仕事の需要はなくなっていくかもしれない、と考えたことです。

最近はインターネットで車を購入することができますし、今後、電気自動車が普及して自動車メーカー以外の企業等が車を売り出すようになれば、自動車メーカーの販売店舗の人材はさらに需要が小さくなる。実際に、私がいたメーカーでも、ディーラー店舗の統合が進められています。

営業マンでいられなくなってから初めて「次、どうしようか?」と考えても、その時私は45歳、50歳。これでは転職は難しいんですよね。なので、もっと早いタイミングで転職をすることにしたんです。

ーー特殊清掃のスタッフという仕事を選んだ理由は?

特殊清掃の仕事を選んだのは、数年前に大学時代の友人と電話をした時に、その友人が特殊清掃業者の話をしていたのがきっかけです。

電話で友人「最近、親父さんどう?」と聞いたら、地方の出張先で孤独死されてしまったと。その時に特殊清掃の業者に依頼して本当に助かったんだよ、という話を聞いたんです。もちろん、自動車メーカーの営業も「お客様のために」と思ってやっている仕事ではありましたけど、それ以上にお客様の感謝が伝わってくる仕事なんだ、という印象を強く持ち、そういった仕事も良いなと思いました。

ーー現在の仕事内容について教えてください

これまでに私が携わってきたのは、主に特殊清掃と遺品整理、それと家財整理です。それと経験はまだ少ないですが、火災や水害の現場にも参加しています。私はまだこの仕事は1年目の新人ですから、経験のあるベテランスタッフに帯同して、OJTとして仕事を覚えながら取り組んでいます。

一日の流れでいうと、だいたい7時半もしくは8時に出社して、その日の現場の準備が出来ていればそのまま出発しますし、されてなければ資材の準備をしてから現地に向かいます。9時くらいには作業をスタートして、途中休憩やお昼休憩をはさみながら、15時くらいには現場での作業を終えます。で、16時半ぐらいに会社に帰ってきて、荷物を下ろしたりなどの後始末をして、だいたい17時とか18時ぐらいには終わりという流れです。

ーー営業マンから特殊清掃のスタッフ、仕事の内容はガラリと変わったが、どういった違いがあるのか?

営業マンの仕事は、やはり数字で結果を出さなければならないので、精神的な意味でのタフさが求められます。一方で、今の仕事は体力勝負の部分が大きい。これは大きな違いかなと思います。

体力については、私は幼稚園から大学生までずっとサッカーをしていたのと、実は大学を卒業してからK-1をやっていた時期もあったので。さすがに若い20歳代の時と比べれば落ちてはいますけど、身体を動かすことは嫌いではないので、キツさというのはあまり感じないです。ただ、例えば水害の現場では床下に潜って作業をしないといけないのですが、身体が大きいこともあり、飛び出ているクギにひっかかったりして痛い思いをすることがあります。そういったことにはまだ慣れないですね。

とはいえ、そういったことも経験を積んでいけば克服できるようになりますから。今後もそういった難しい現場に、率先して参加していければと思います。

ーー特殊清掃や家財整理の仕事で、大変だと感じたことは?

最近、孤独死現場の特殊清掃の見積もりをさせてもらったことがあったんですけど、特殊清掃の現場は作業を始めてからでないと見えない部分がある、ということが大変だと感じました。

孤独死現場の特殊清掃では、ある程度現場を解体して体液を除去する作業が必要になります。ところが、具体的にどこまで解体する必要があるかは、実際に解体しながら見ていかないと、分からないんです。場合によっては見積もり時の想像よりも下の方にまで、体液が入り込んでしまっていることもあり、そうすると作業にかかる時間も長くなってしまう。そういった予測の難しさが、この仕事の大変さのひとつかなと思います。

ーー入社してまだ数か月だが、孤独死が起きた現場での作業に対する抵抗感は?

エバーグリーンに入社する前にも、公開されているYouTube動画を見たりしていましたから、目に見える部分での抵抗というのはあまり無いです。ただ一方で、亡くなられた方の体格や死後の経過日数、あるいは季節によって、臭いの強弱が変わってくるんです。

もちろん現場での作業に際しては、私たちも様々な装備を身に付けて臨むわけですが、そういった条件が重なって強烈な臭いが出ているような現場というのは、それなりの大変さがあります。とはいえ、特殊清掃はそういったことありきの仕事ですから。慣れていく必要があると思っています。

ーー特殊清掃や家財整理の仕事で印象に残っている現場やエピソードは?

家中が本で埋め尽くされている、ゴミ屋敷ならぬ「本屋敷」を特殊清掃した現場があって、その規模の大きさが印象に残っています。

その現場は一軒家で、亡くなられた家主の親族の方からのご依頼でした。現場には私と代表の大邑さん、それと岩崎さんの3人で向かったのですが、とにかく本の量が多くて。書斎はもちろん家主の部屋や通路、そして玄関まで、とにかくすべて本の山だらけで、文字どおり足の踏み場もない状態でした。とにかくまず動線を確保しないといけませんから、玄関から片っ端から本を片付けていって、少しずつ動ける範囲を広げていって…。といった具合に作業を進めていったのですが、3人がかりで2日間かけて、ようやく1階が片付くという状況で。最終的にはさらに2日間を2回、合計6日間かけて無事、作業を終えることができました。

そういった部屋の状況ですし、また今は新型コロナのこともありますから、ご親族の方が自分たちで片付けたくともなかなか難しかった。そうして困っているご依頼主の方の代わりにきちんと清掃作業を行ない、困ったり不安な気持ちになられていたのを払拭してあげられたのが、すごく「良かったな」と感じたのを覚えています。

ーーエバーグリーンのスタッフとしての今後の目標は?

まだ入社して数か月なので、今は長谷川さんや岩崎さんなどに帯同して作業しています。今後は見積もりなど、少しずつ一人だけでも出来ることを増やしていき、やがては見積もりから現場での作業まで通しで作業できるようになりたい、と思っています。

それと、今私が使っている社用携帯は以前、別の方が使っていたものなんですけど、今でもたまにその人あてに電話がかかってくるんです。要はリピーターのお客様なんですよね。特殊清掃や家財整理といった仕事は、お客様にとっては一生で1回、2回あるかという作業です。そのような数少ない機会の中で、お客様に親身になって対応をすることで、お客様がリピーターになってくださるんだと思います。

私自身もそのようにお客様から信頼していただけるスタッフになりたいですし、会社としてもそういう信頼される会社になっていければと思っています。

大邑政勝

この記事について

監修

大邑政勝

  • 家財整理専門会社エバーグリーン 代表
  • 一般社団法人 家財整理相談窓口 理事
  • 一般社団法人 日本特殊清掃隊 理事

特殊清掃、遺品整理、火災現場復旧など10年にわたる現場経験と多種の資格を有し、豊富なノウハウで顧客第一のサービスの提供に努める。

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