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特殊清掃業者が挑戦する「居住支援」とは ~代表・大邑の体験談~

特殊清掃業者が挑戦する「居住支援」とは ~代表・大邑の体験談~

エバーグリーンは2021年から新たに、住宅確保用配慮者を対象とした官民連携の支援事業である「居住支援」に取り組み始めました。千葉県から居住支援法人の指定を受け(※)、事業の利用者が亡くなった際の残置物の処理等を行なっています。また、今後より多様な事業を展開できるよう、代表の大邑を中心に「居住支援」についての勉強も行なっているところです。

今回は代表の大邑から、居住支援の概要とエバーグリーンとしての取り組み、居住支援に取り組む目的、今後の展望についてお話させていただきます。

※商号の「株式会社金田臨海総合」として指定を受けております。「家財整理専門会社エバーグリーン」は屋号です。

ーー「居住支援」というものについて、どのようなものか教えてください。

居住支援というのはざっくり言うと、「住宅確保要配慮者」と言われる人たちに対して、行政や民間が行なうさまざまな支援サービスのことです。

住宅確保要配慮者というのは、様々な事情などにより住宅の確保が難しい状況にある方たちのことを指します。例えば、高齢者。要はアパートの大家さんの中には「部屋で亡くなられたら困るから」と、お年寄りにあまり部屋を貸したくないと考える方も少なからずいますよね。なので高齢者も、住宅の確保が難しい人であると言えます。

それと子育て世代。特に母子家庭の場合はやはり所得が少ないのが現状ですから、住宅確保要配慮者に該当します。あとはドメスティック・バイオレンスの被害者も、一時保護の支援も含め、居住支援の対象者となります。ほかにも、ハンセン病の人であったりとか、刑務所から出てきた人たちというのも、住宅確保要配慮者の範囲に含まれます。

●「住宅確保要配慮者」の範囲(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律および同施行規則より)

  • 低額所得者・被災者
  • 被災者
  • 高齢者
  • 障害者
  • 子どもを養育している者
  • 外国人
  • 中国残留邦人
  • 児童虐待を受けた者
  • ハンセン病療養所入所者等
  • DV被害者
  • 拉致被害者
  • 犯罪被害者
  • 保護観察対象者・厚生緊急保護を受けている者
  • 生活困窮者自立支援法による援助者
  • 東日本大震災等の大規模災害被災者
  • 都道府県及び市町村供給促進計画で定める者

それと大規模災害の被災者も、住宅確保要配慮者に該当しますね。2019年の12月に千葉県を非常に強い台風が襲い、多くの住宅が屋根が飛ばされたりなどの被害が発生しました。この際も、被災者の方の仮の住まいを見つけるために、居住支援の制度が使われました。

ーー住宅確保要配慮者を対象とした支援サービスとは?

住宅確保要配慮者を対象とした支援サービスは、具体的には「住宅セーフティネット制度」というものに基づいて行われます。国土交通省のウェブサイトによると、住宅セーフティネット制度は

  1. 住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度
  2. 登録住宅の改修や入居者への経済的な支援
  3. 住宅確保要配慮者に対する居住支援

といった3つの大きな柱から成り立っており。中でも3つ目の「住宅確保要配慮者に対する居住支援」というのが、私たちエバーグリーンも含めた民間業者等による様々な形の支援サービスに該当します。

支援サービスの内容としては、例えば見守りであったりとか、家賃債務保証、あるいは少額短期保険の提供などがありますが、私たちの場合は家財整理を行なう業者として、千葉県から居住支援法人の指定を受けています。具体的には、住宅セーフティネット制度を使って部屋を借りていた方が亡くなり、その部屋の片付けや整理が必要になったときに、我々が出張っていくという形です。

ーー部屋の片付けや整理などの作業は、住宅セーフティネット制度においてどのような位置づけなのでしょう?

こちら、国土交通省が出している資料を見ていただくと分かるのですが、住宅確保要配慮者に対する居住支援策として、特に高齢者について「死亡時の残存家財処理」の必要度が高いことが示されています。

●住宅確保要配慮者に対する入居制限の状況・理由と必要な居住支援策(国土交通省「新たな住宅セーフティネット制度の概要と現状」より)

住宅セーフティネット制度について -制度の概要- – 国土交通省より

また、同じく高齢者について「入居制限の理由」として「孤独死などの不安」の回答割合が高いことからは、孤独死による体液や死臭といった汚損の発生を危惧している家主さんが多いことが読み取れます。

要は今の時点で、高齢者が部屋を借りたい時にどうしても家主から「亡くなった時の対処」のことを不安視されて、なかなか部屋を借りづらいという状況があるわけです。しかも今後日本では、高齢化がどんどん進んでいくので、状況はより深刻になっていきますから。住宅セーフティネット制度の果たす役割というのは、大きくなっていくと思います。

ーー現在は家財整理の業者として居住支援を行なっていますが、他に今後進めていきたいと考えている取り組みはありますか?

やはり人の生活というのは、住むところがあって初めて成り立つものですから。そこの確保ということが、誰であっても大事だと思っています。

先の「住宅確保要配慮者」の範囲でいうと「保護観察対象者」、つまり犯罪を犯した人たちというのが、実は一番、住宅確保で困っていると聞いたことがあります。ですから個人的な気持ちとしては、そういった人たちに対する居住支援にも取り組んでいきたいと思っています。

例えば空き家になっている家を借り上げるなどして、そういった犯罪を犯した人たちも含めた部屋を借りられない・借りづらい人たちに住居を提供したり、場合によってはそのためのグループホームみたいなものを建設したり。あくまで長期的なプランですが、そういったことをイメージしています。

ーー現在は家財整理の仕事をする業者だけど、今後は家そのものを提供するようなことも新たに取り組みたい、ということですか?

元々、エバーグリーンは「遺品整理」という仕事から始まった組織です。

でも仕事をしていく中で、家財整理が必要になるのは必ずしも「遺品」の整理に限らないことを知り、屋号も「遺品整理エバーグリーン」から「家財整理専門会社エバーグリーン」に変えました。

そして、家財整理の業者として仕事をする中で「居住支援」の存在を知りました。当初は居住支援は高齢者向けのサービスだと思っていましたが、勉強していくと、居住支援は高齢者だけではなく様々な世代の色々な状況の人にとって必要な支援サービスであることに気付きました。

居住支援の制度はまだ一般知名度も低いですし、我々エバーグリーンもまだ家財整理の分野での取り組みに留まっています。しかし、今後を長い目で見ると、居住支援はもっと多くの人に使われる状況になると思います。なのでエバーグリーンも先を見据えて、将来的にもっと色々な取り組みで居住支援を展開できるように、今のうちから種をまいていきたいと思っているんです。

いまは国や自治体も、制度の普及に一生懸命になって取り組んでいます。先日も、私が理事を務めている一般社団法人家財整理相談窓口が居住支援に関するセミナーを開催した際には、国土交通省の方が自前の資料を作成し講演を行なってくださいました。また、居住支援の主管は国土交通省ですが、他にも環境省や法務省なども居住支援には関与していて。各省庁が連携して取り組んでいる印象を受けます。

ーー今後、数十年先を見据えると、社会構造が変わっていき、居住支援という制度も今以上に必要とする人が増えていく可能性もありますね。

そうですね。家を借りられない人たちに対してのアプローチというのは、今後さまざまな形の取り組みが展開されていくようになると思います。

高齢者の居住支援に関連していうと、昨年6月に「残置物の処理等に関するモデル契約条項(ひな形)」というものが策定されたんです。

賃貸契約している人が亡くなった場合、部屋に残された残置物の所有権は遺族などの相続人に移ることになっています。ところがこれだと、相続人の有無や所在が分からないときに困ってしまいますよね。このことが、高齢者が部屋を借りづらい一因にもなっていたんです。

そこで昨年出てきたのが「残置物の処理等に関するモデル契約条項(ひな形)」です。これは、自分が亡くなった時の残置物の処理について、生前に「受任者」を立てて委任契約を結んでおくことで、死後の残置物を円滑に処理できるようにする、というものです。ポイントは、受任者として私たちのような居住支援法人を指定することができる点。これによって、身寄りがなく残置物の処理が不安視されていた高齢者が、居住支援を受ける形で部屋を借りやすくなるわけです。

このモデル契約条項については、法的な話も絡む内容なので私自身も勉強中ですが。家財整理や遺品整理といったエバーグリーンの仕事には関わりが深い大事な話なので、引き続き学んでいきたいなと思っています。

ーー残置物の処理等に関するモデル契約条項の話もそうですし、居住支援については引き続き勉強を進めていきながら、企業としての取り組みも検討されていくわけですね。

そうです。居住支援というテーマはとても奥が深いものですから。私自身も全体のまだ半分ぐらいしか理解できていないと思っているので、引き続き勉強していきたいです。その中で新たに知った知見などがあれば、またこうしてインタビュー記事としてみなさまにも共有できればと思います。

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