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西日本豪雨被災地で起きた浸水被害からの家屋洗浄作業 ~代表・大邑の体験談~

西日本豪雨被災地で起きた浸水被害からの家屋洗浄作業 ~代表・大邑の体験談~

2018年の6月末から7月上旬にかけて、西日本を中心に全国の広い範囲で豪雨が発生しました。特に、広島県および岡山県を中心とした中国地方において、河川の氾濫などによる浸水や土砂崩れなどが多発。死者263人、行方不明者8人、住家の全壊6783棟など、近年まれにみる大きな被害が伴う豪雨災害となりました。

「西日本豪雨」と名付けられたこの災害が発生した後、弊社エバーグリーンからは代表の大邑とスタッフ1名の計2名が被災現場に出向。浸水被害を被った家屋の洗浄作業を実施しました。現場作業においては、清掃業者としてのノウハウを活かして作業できたと同時に、新たな知見やノウハウを得ることもでき、それらは以後の作業現場でも活用されています。

今回は、西日本豪雨被災地での作業内容の実態や印象に残っている出来事、作業で得た新たな知見やノウハウについて、弊社代表の大邑からお話させていただきます。

ーー西日本豪雨発生後の被災地で家屋洗浄作業を行なうに至った経緯や期間、場所は?

同業の他社が先に現場に入って作業していたところ、災害の規模が大きく、被災地域のお客様のニーズに対して作業が間に合わないために、弊社エバーグリーンに応援の要請をいただいたことが、作業を行なったきっかけです。期間は7月の後半から8月のお盆あたりまで。1か月弱くらいは被災地にいて作業をしていました。

私たちが作業をしたのは広島県と岡山県の被災地です。私ともう1人のスタッフで被災地まで足を運び、現地でお客様からご依頼をいただく形でご自宅の洗浄作業を行ないました。1軒あたり数日かかりましたので、合わせて約15軒ほど洗浄作業を行なった計算です。

ーー洗浄作業の具体的な作業内容は?

床下の泥や水の排出と洗浄、そして消毒作業です。具体的には、まずポンプを使って、床下に溜まった水を雨水の排水口に流すかたちで排水します。すると泥や木くずなどのゴミが残るので、それらを取り除いて。その後に、電気の配線の下など取りづらいゴミを取って、水で洗い流して綺麗にします。最後に、消毒剤を使って消毒し、脱臭機で脱臭すれば作業終了です。

作業のために床下に潜っていく様子(右側に映っているのが搬出した泥の入った土嚢)

ゴミの処分については、水害発生後は自治体が「災害廃棄物」として特別な対応をとることになっています。西日本豪雨の後の現場では、行政などの回収車が不定期に廻っていたので、道端に出しておけば回収してもらえました。

一連の作業で一番大変だったのは、床下の泥を排出する作業です。床下はほふく前進で移動しなければいけないので作業がしづらい上に、土嚢袋は泥を入れると10~15キロくらいの重さになるので運ぶのが大変でした。

ーー洗浄作業により得た知見やノウハウは?

床下での作業や泥の運搬がとにかく大変だった分、どうにかそういった作業をもっと楽に、効率的に出来ないかを考えて、色々なアイデアを思いつくことができました。

例えば床下の作業では、自動車整備工場などで車の下で作業するときに使う「寝板」を使うことを思い付き実際に試してみたら、楽に移動できるようになりました。泥の運搬作業についても、雪遊びなどで使うプラスチック製のソリを現地のホームセンターで購入して、そのソリに長いロープを括りつけることで、床下で土嚢を積み込んだら楽に引っ張り出せるように工夫しました。それと、床下に潜ると濡れますし、寝板で作業してても腕や肘をついたりして痛くなってしまいます。そこで試しにウェットスーツを着用してみたら、濡れても寒くないし、腕や肘などもある程度保護できるようになりました。

それと、被災地の現場にはオゾン脱臭機を持って行ったのですが、この脱臭機が構造的にオゾンを上に向けて吹き出す構造になっていて。このままだと、床下にはオゾンを送りづらいことに気付いたんです。そこで換気扇のフードカバーとフレキシブルダクト、それとテープをホームセンターで購入してきて、オゾンを床下に直接送りこめるように改造しました。他にも、床下に潜ったスタッフが地上のスタッフに向かって大声で呼びかけるのは大変だってことにも気付いたので、免許の要らないチャンネル式のトランシーバーを調達して楽に通信できるようにもしました。

床下にオゾンを送り込むよう改造したオゾン脱臭機

こういった新しいノウハウは中国地方での作業後、他の現場でも応用することができています。現場の作業で困ったことや大変なことがあれば、アイデアを出してみたり、あるいは便利な道具がないか探してみるといった作業が個人的には好きですし、そういったノウハウを積み重ねていけば、会社全体の作業品質の向上にもつながります。水害現場に限らずあらゆる現場で、創意工夫することを大事にしています。

ーー洗浄作業で印象に残っていることは?

洗浄作業そのものとは少し違う話になりますが、個人的に想定外だったのが、現地のご家庭から作業をご依頼いただいて「このくらいお金がかかります」とお見積りを出すと「そうですか…」といって、お見積りを出して終わりというパターンがとても多かったことです。お見積りを出して実際に作業を行なったのは、全体のおよそ3割といった感じです。

なぜそうなるのかというと、要は保険会社の水害補償が適用になるためには、例えば45cmを超えての浸水であることなど、いろいろな条件があるんです。そのため、保険が使えないからお金が出せないということで、見積もりはしたけど成約はしなかった方の割合が大きくなってしまうわけです。

では成約しなかった方はどうするか。自分たちで作業する方もいらっしゃいますが、どんなに小さな家でも、やっぱり床下に潜っての作業は素人では結構大変です。泥をかき出せてもその後に洗浄や消毒、消臭までちゃんとやり切れるかというと、なかなか難しいでしょう。

床下浸水によりカビが発生した様子

床の内側なので目には見えませんが、健康には良くないでしょう。いずれにしろ専門業者としては、できれば私たちのようなプロフェッショナルによる洗浄作業を行なうことをおすすめします。

ーー水害被災地に赴いて印象に残っていることは?

特に被害が大きかった真備町(岡山県倉敷市)は、やはり驚きました。どこの家も、建物の1階部分はサッシも窓もない状態で。要は、2階の床上まで浸水するほど街中が冠水した後なので、1階部分は濁流で流されてしまったわけですよね。そういう光景が軒並み広がっていたのと、それと幹線道路沿いの歩道とかには、人の高さぐらいまで全部、家の廃材やタンスなどの家具、瓦礫とかが積み重なってゴミの山になっていて。大変な光景が広がっていました。

それともう一つ、印象に残っている話があります。被災地を廻っている時に、警察が貼るような「立ち入り禁止」の黄色いテープが貼られている家があって。同行していた方が「大邑さん、これ何で貼ってあるかわかりますか?」と尋ねてきたんです。私が「危ないからじゃないですか?」と答えると、その方は「違うんですね。これは泥棒が貼ったものなんです」と。要は泥棒たちが、自分たちが泥棒に入るときに誰かが入ってこないように、そういった警察が使うようなテープを貼ったということなんです。

他にも、例えば水没してしまった銀行などのATMを漁るために、スキューバダイビングの装備をしてタンクを背負って泥棒に入ったヤツがいるとか。そういった話もありました。

ーー豪雨等による水害は今後、地震と同様に警戒すべき災害として認知されていくと予想されます。専門業者として水害に対して思うことは?

近年、全国各地で豪雨災害が多く発生するようになってきたと思います。エバーグリーンでも中国地方での作業後、2019年に千葉県や福島県で発生した豪雨災害など、いくつかの水害現場で洗浄作業を行なってきました。

令和元年10月豪雨によるアパートの床下浸水の処理作業】

水害に際しては、発生後の洗浄作業をどうするかも大事なのですが、それよりも重要なのが、やはり行政が用意しているハザードマップを一度確認して、自宅の被災リスクを把握しておくことだと思います。

水害のハザードマップであれば、どの程度浸水や冠水のリスクがあるかが書いてありますから。それを日々、頭の片隅ででも意識していただいて、天気予報で台風がきそうだと言っているとか、ゲリラ豪雨がきそうな感じがあるときには、相応の備えをしていただければ。それと、万が一のときにはどこに逃げるのか、家族でどこに集まるのか、といったことも事前に話し合いをしておくと良いと思います。

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