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ゴミ屋敷は心の病が原因?考えられる病の種類について紹介

ゴミ屋敷は心の病が原因?考えられる病の種類について紹介

自宅をゴミ屋敷にしてしまうのは、心の病が要因となっていることがあります。自己判断ではなく医師による診断でなければ正確に見極めることができませんが、もし心の病が要因となっている場合、自宅のゴミ屋敷化以外にも生活や仕事にさまざまな影響を及ぼしている可能性があります。よって、親族や知人などでもし心の病が疑われるような場合には、早めに医師による診断を受けることをおすすめします。

今回は、ゴミ屋敷の要因となりうる心の病について、主な特徴や症状をご紹介していきます。

ゴミ屋敷の要因となり得る心の病

ゴミ屋敷の要因となり得る心の病

買い物依存症

買い物依存症とは、その名のとおり「物を購入すること」それ自体に依存してしまう心の病です。仕事や家事などにおける強いストレスが要因になっており、物を購入することをストレス発散の手段としてしまうために、必要十分に物が揃っていても次々と新しい物を購入してしまう点が「衝動買い」とは大きく異なります。自宅のゴミ屋敷化はもちろん、家計に与える影響も大きいという問題があります。

ため込み症(ホーダー)

ため込み症は、近年、新たに登場した心の病の名称です。こちらもその名のとおり、物を捨てたり手放したりすることに苦痛を感じ、物をため込むようになってしまう心の病です。コレクターによるアイテム収集とは異なり、物をため込むこと自体を大事にしているために、物が整理整頓されずに散らかってしまう特徴があります。また、物そのものの価値とは関係なしに物をため込んでしまう、よって他者から見たら不要な物が多くたまってしまうことも特徴です。

うつ病

うつ病とは、一日中気分が落ち込んでしまったり、何をしても楽しむことができないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状も表れてしまう心の病です。日本では100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験しているとされており、男性よりも女性の方が1.6倍ほど多いという特徴があります。うつ病の場合、物を買いこんだりため込んだりするよりも、ゴミの片付けや掃除などといった衛生作業を行なうことができずに、室内が汚れていってしまうパターンが多くなります。

統合失調症

統合失調症とは、脳の様々な働きを「まとめること」が難しくなる心の病です。心の病としては比較的一般的なものであり、100人に1人弱がかかるとされています。一般的には「幻覚」や「妄想」の症状が有名ですが、これらは「健康なときにはなかった状態」を意味する陽性症状と呼ばれるものです。統合失調症には、これら陽性症状のほかに「健康なときにあったものが失われる」陰性症状として、意欲の減衰や気分の落ち込み、自閉などの症状もあり、これらが複合的に作用することで、ゴミを片付けたり部屋を掃除したりするのが難しい状態になると考えられます。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、「集中力がない」、「じっとしていられない」、「考えずに行動してしまう」といった3つの症状が見られる先天的な障害(発達障害)です。物を整理整頓し室内の衛生環境を保つためには、自宅の中を広範囲にわたり意識をめぐらせたり、段取りをつけながら片付け・掃除をする必要があります。ところがADHDの場合、先述の3つの特性があるために、こうした行動をとることが難しく、自宅をゴミ屋敷にしてしまいます。

自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症スペクトラム(ASD)は、社会的コミュニケーションや対人関係が苦手であったり、物事に対して強いこだわりや執着を持つことを特徴とする発達障害の一種です。ADHDと同様の先天的な心の病ですが、ADHDと異なるのはASDの場合、物事に対して強いこだわりや執着があるために、室内に物がたまり込んでいってしまい、ゴミ屋敷になってしまうという点です。

認知症

認知症とは、脳の病気や障害などの様々な原因により、認知機能が不可逆的に低下する心の病です。その原因により「アルツハイマー病」「脳血管性認知症」「レビー小体病」などの種類に細かく分類されますが、年をとるほどかかりやすい特徴があり、65歳以上は5人に1人が認知症にかかるとされています。認知機能が低下することで、物が不要なゴミか否かが判断できなくなったり、ゴミ排出日を忘れるなどして自宅がゴミ屋敷になっていきます。

セルフネグレクト

セルフネグレクトとは、「自分自身に対するネグレクト行為」のことを言います。人が生きていく上で当然行うべき保健、衛生活動を行なわない状態になってしまい、その結果のひとつとして自宅をゴミ屋敷にしてしまいます。厳密には心の病の種類ではありませんが、心の病の結果として生じる可能性があります。心の病以外には近しい親族の死、被災、身体的障害、経済的困窮などが要因となることがあります。社会から孤立しており周囲とコミュニケーションをとっていないケースが多く、場合によっては社会福祉等のサービスさえも拒否することがあり、対処が難しいもののひとつです。

ゴミ屋敷を放置することのリスク

ゴミ屋敷を放置することのリスク

自宅がストレスの源になってしまう

自宅は本来、リラックスや休息のための空間であるべきですが、ゴミ屋敷になってしまっていると、どうしてもそのことがストレスになってしまいます。また、ゴミ屋敷であることを認識しつつも掃除ができないような場合、「部屋を片付けられない自分」に対するネガティブな感情が生じてしまい、それもまたストレスになってしまいます。心の病の多くはストレスが要因になっているために、ゴミ屋敷を放置していると心の病がより進行してしまうリスクが高まる可能性があります。

体調不良や病気を引き起こす

ゴミ屋敷には細かなゴミやホコリ、ハウスダストが多く溜まってしまい、それらは体調不良や病気を引き起こす原因になる可能性があります。特に気を付けたいのは、アレルギー性鼻炎や気管支喘息などといった呼吸器疾患です。細かなゴミやホコリ、ハウスダストは部屋の隅や家具の裏に溜まるだけではなく、部屋の中にも舞っていたりするので、ゴミ屋敷で生活しているだけで、これら呼吸器疾患のリスクが高まってしまうのです。

また、物が自宅内にたくさん積み重なっている場合、それらがスムーズな行動を阻害したり倒壊したりすることで、怪我をしてしまう可能性も高くなります。

害虫・害獣が増える

ゴミ屋敷を放置していると、ダニやハエ、ゴキブリ、ネズミなどといった害虫・害獣を室内に呼び込み、繁殖させる原因になってしまいます。ひとたび部屋の中で害虫・害獣が繁殖してしまうと、退治するのは容易ではありません。場合によっては周囲にも迷惑をかけてしまう可能性があるので、そうなる前にゴミ屋敷問題を解決することが重要です。

家計に悪影響を及ぼす

ゴミ屋敷化が進むにしたがって、部屋の中にある自分のものが把握しきれなくなったり、ものを紛失しやすくなっていくため、余計なものを次々と購入してしまう要因になります。また、重度のゴミ屋敷の場合、キッチンスペースがゴミで埋もれてしまうことがほとんどです。そうなると料理が一切出来なくなるので、コンビニ弁当などの割高なものを買うようになり、さらに家計に悪影響を及ぼしてしまいます。

近所トラブルに発展する

自宅から物が溢れ出て敷地外にも侵出していったり、悪臭が屋外にもまん延したり、あるいは害虫・害獣が大量に発生し屋外にも出ていくなどすると、近所トラブルに発展してしまう可能性が高まります。ここまでいくと、行政による介入を受けたり、場合によっては法的な罰則を受けざるを得なくなる恐れが生じます。特に、引き続きその土地に住み続ける必要がある人の場合は、一刻も早くゴミ屋敷問題を解消することが必要不可欠になります。

心の病が疑われる場合はすみやかに医師に相談

心の病が疑われる場合はすみやかに医師に相談

今回ご紹介してきた心の病の特性は、あくまで代表的・特徴的なものを挙げているに過ぎず、中には別の特性が現れたり、複数の心の病を患ったり、ひとつの心の病をきっかけとして別の病が発生したりするケースも存在します。そのため、心の病が疑われる場合には、個人の独断で判断するのではなく、すみやかに医師に相談し、診断を受けることをおすすめします。

心の病に共通しているのは、心の病の場合には本人が自ら自覚して医師等に相談するケースはかなり少ない、という点です。そのため、ゴミ屋敷の片付けはもちろん、早期に適切な治療を受けるためにも、知人や親族などの周りの人々の早い気付きとサポートが必要不可欠となります。

心の病は、病気の種類ごとに「なりやすい人」の傾向こそありますが、全ての人がかかる可能性のあるものです。また、早期に発見し、正しい対処や治療を速やかに行うことができれば、回復も早く軽症で済む可能性があります。

心の病に起因するゴミ屋敷への対処法

医師や専門家に相談のうえ、本人と一緒に片づける

ゴミ屋敷の家主本人が心の病にかかっているとしても、病態に応じた適切なアプローチを行なうことができれば、本人と一緒に片付けや掃除を進めることは十分に可能です。医師や専門家に相談し、ゴミ部屋掃除の進め方について指示を仰ぐと良いでしょう。

片付けや清掃の専門業者に依頼する

ゴミ屋敷の度合いが深刻な場合、心の病が深刻であり本人および知人、親族による対処が難しい場合、あるいは衛生環境的に専門的な処置が必要な場合には、片付けや清掃作業の専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者に依頼する際には、ホームページ等を確認して、片付けや清掃、ゴミ処理について専門的なスキルやノウハウがあるかを確認しましょう。

エバーグリーンでも、ゴミ屋敷の片付けや清掃を承っております。お困りの方はぜひ、エバーグリーンまでご相談ください。

大邑政勝

この記事について

監修

大邑政勝

  • 家財整理専門会社エバーグリーン 代表
  • 一般社団法人 家財整理相談窓口 理事
  • 一般社団法人 日本特殊清掃隊 理事

特殊清掃、遺品整理、火災現場復旧など10年にわたる現場経験と多種の資格を有し、豊富なノウハウで顧客第一のサービスの提供に努める。

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