食べ物を放置していたらコバエが発生してしまった!気を付けているはずなのに、今年も黒いアイツがやってきた!虫に関するお悩みは、なかなか尽きることがありません。
そこで今回は、家に虫がわく原因について丁寧にご説明した上で、虫の発生を防ぐための対処法について要点をまとめながら分かりやすく解説していきます。
家に虫がわくまでの3つのステップ
そもそも、屋外にいるはずの虫がなぜ家の中でわいてしまうのでしょうか?虫がわくようになるまでには、おおまかに分けて3つのステップがあります。この3ステップを理解しておくと、虫がわかないようにするための対処を効率的に行なえるようになります。
ステップその1:部屋に虫が侵入する
虫は、何もない空間から突然発生することはありません。必ず、家の外から何らかのルートを見つけて「侵入」してきます。
虫が侵入してくるルートには、以下のようなものがあります。
- ・窓や網戸に開いた(できた)隙間など
- ・エアコンの室外機のホース
- ・換気口・換気扇
- ・風呂やキッチンの排水口
- ・外から入ってくる人間等に付着/窓や玄関を開けた瞬間に侵入
虫の侵入ルートはさまざまですが、特に意外と見落としがちなのが、窓や玄関を開けた瞬間の侵入や、外から入ってくる人間等に付着しての侵入です。他の侵入ルートに対してどれだけ対策を施しても、結局はこういったルートから虫は侵入できてしまいます。
もちろん、侵入ルートへの対策は、虫の発生を減らすためには重要ですが、なかなかゼロにすることは難しいと心得ておきましょう。
ステップその2:虫が家を住処にする
侵入してきた虫が数匹程度で、すぐに部屋から追い出したり殺虫できれば良いですが、厄介なことに虫は人間の家を住処にすることができます。というよりもむしろ、人間の家は虫にとっても居心地が良いことがほとんどです。
なぜなら人間の家には、虫が生きていくために必要な「食べ物」や「水分」、あるいは「適切な温度・湿度」といった条件がすべて揃ってしまっているのです。特に「食べ物」は、人間が気付きづらいレベルの小さなものでも、虫は目ざとく見つけてくるので、食べ物の管理や生ごみの片付けはもちろん、部屋の衛生には十分気を配らなければなりません。特に、食べ物が腐りやすい夏場は注意が必要です。
ステップその3:部屋で虫が繁殖する
虫は一度の産卵で、大量の子どもを生みます。例えばゴキブリの場合、卵鞘ひとつにつき数10匹の子どもが生まれてしまいます。つまり、虫の繁殖を抑えるためには、卵を産んだり卵から孵化する前に、すばやく対処することが重要になってきます。
虫が卵を生むためには、いくつかの条件が整った環境が必要になります。例えばゴキブリの場合は「温かい」「湿度が高い」「栄養がある」ことが条件です。虫の産卵対策にはこうした環境をなるべく無くすことが有効ですが、どうしても限界はあることを認識しておきましょう。
家に虫がわかないようにする対処法
続いて、虫がわかないようにする対処法について、3つに分けてご説明していきましょう。
対処法その1:侵入対策
虫の侵入を防ぐためには、虫の侵入ルートそれぞれに対して侵入防止策を講じることが肝心です。以下を参考に、侵入ルートごとに適切な対策を講じてみてください。
<窓や網戸>
網戸に穴や隙間ができてしまっていると、虫にとっては格好の侵入ルートになってしまいます。家にある全ての網戸を綿密に確認し、もし穴や隙間があったらすぐに塞ぎましょう。また、穴や隙間がなくても、もともと網戸の目が大きいタイプの場合だと、小さな虫は網戸の目を抜けて侵入してきます。ですから、目の小さいタイプの網戸に張り替えるのも有効な侵入対策です。また、カーテンレールなどにぶら下げるタイプの防虫製品を使うのも有効です。
<エアコンの室外機のホース>
エアコンの室外機のホース(ドレンホース)は直径が1.4~1.6cmほどもあるために、さまざまな虫が入って来る侵入ルートになってしまいます。また、エアコンの室外機まわりは温かく虫が繁殖しやすい環境になっているので、室外機のホースにはしっかりと防虫対策を施す必要があります。防虫キャップをとりつけるなどして、虫の侵入を防ぐようにしましょう。防虫キャップはドラッグストアやホームセンター、100円ショップなどで購入可能です。
<換気口・換気扇>
部屋や風呂場、キッチンなどに設置されている換気口や換気扇も、虫が侵入してくるルートになっています。ただし、これらは完全に塞ぐことはできないので、メッシュタイプのフィルターを使うなどして防虫対策を施しましょう。また、油汚れが付着しやすい換気扇は、虫を寄せ付ける原因になってしまうこともあるので、こまめに掃除して清潔を保つようにしましょう。
<風呂やキッチンの排水口>
風呂やキッチンの排水口からつながる管の多くは、あえて途中で折れ曲がり水が貯まるようにして(封水といいます)、虫の侵入を防いでいます。が、封水の仕組みがなかったり、管が劣化していたりすると、虫の侵入をきちんと防ぐことができません。そのため、排水口の管に問題がないかを確認し、不具合があればすぐに対処することが重要です。
<外から入ってくる人間等に付着/窓や玄関を開けた瞬間に侵入>
意外と見落としがちなのが、外から入ってくる人間等に付着しての侵入や、窓や玄関を開けた瞬間の侵入です。家に帰ってきて家に入る前に、身体に虫が付いていないかを確認したり、身体を揺らすなどして虫を遠ざけるようにしましょう。また、玄関ドアや窓を開ける際には、ドアの周辺に虫がいないかを確認すると良いでしょう。特に新型コロナ以降、宅配サービスの利用機会が増えた方も多いでしょう。宅配応対のために玄関を開けていたらそのスキに虫が…ということもよくあるので、注意してください。
対処法その2:生活・繁殖対策
どれだけ対策を講じたとしても、虫の侵入は100%防ぐことが出来ません。そこで次に重要になるのが、虫にとって生活や繁殖がしやすい環境を極力作らないことです。ここでは、室内のエリアごとに対策をまとめてみました。
<キッチン>
最も気を付けなければいけないのが、食べ物や液体が常に揃った環境にあるキッチンです。特に食べ物を放置したり腐らせたりすると、虫が大繁殖する原因になってしまいます。食べ物は必ず冷蔵庫などの所定の場所にしまい、管理を徹底しましょう。
また、三角コーナーや排水口ネットにたまった生ごみも、虫にとっては格好の繁殖スポットになります。これらも必ずこまめに掃除するようにしてください。特に夏場は、一日放置するだけで虫が大発生することもあり得るので、注意してください。
ほかにも、ガスコンロ周りも要注意ポイントです。なぜなら、ガスコンロ周りに飛び散った油系の汚れは、ゴキブリの大好物だからです。ガスコンロ周りの掃除は少し大変ですが、定期的に掃除して清潔を保つようにしましょう。
<風呂場>
風呂場は常に湿気がたまりやすく、虫が好む不衛生な環境になりやすくなっています。そのため毎日の掃除を丁寧に行ない、常に清潔な状態を保つことが重要です。また、毎日の掃除以外にも、定期的に念入りな掃除を行なうタイミングを設けるようにしましょう。
特に、風呂の排水口には髪の毛などの有機物が溜まりやすく、これらは虫が繁殖する温床になりますから、虫が居着くことがないようこまめな掃除を徹底してください。
<リビング/ベッドルーム>
食べ物や液体が常にあるわけではなく、人の動きも多いリビングやベッドルームは、キッチンなどと比べれば繁殖しづらい環境にも思えますが、決して油断は禁物です。
例えば食べ物の食べカスを掃除しないままに放置したり、缶ジュースやカップ麺、弁当類を飲み食いした後にそのままにしていたり、あるいは床掃除を怠って髪の毛やホコリなどが溜まった状態でいると、それらは虫にとって格好の餌場になってしまいます。掃除やゴミ捨てをこまめに行ない、常に清潔な環境を保ちましょう。特に、宅配の飲食サービスをよく使うという方は、食べ終わった後の容器の後始末を徹底するようにしてください。
また、布団や衣類といった布製品も、虫にとっては快適な生活の場です。タンスやクローゼットには防虫の薬剤を設置する、布団は定期的に干し、シーツやカバーはまめに洗濯するなど、
対処法その3:捕獲と殺虫
虫が発生したり繁殖してしまった場合には、「捕獲」と「殺虫」2つの方法で対処するようにしましょう。捕獲や殺虫は、虫の種類ごとに専用の道具や薬剤が売られています。これらは虫の性質や生態に合わせて作られており、対象外の虫に対しては効かなかったりもするので、注意してください。
捕獲や殺虫において大事なことは、虫の発生や繁殖に気付いたらすぐに対処することです。そのため、捕獲や殺虫のアイテムは常日頃から準備しておくようにしましょう。また、これらのアイテムには使用期限が定められているものも多いので、定期的に確認するようにしてください。特に設置型のアイテムはつい忘れがちになってしまうので、注意が必要です。
虫を発生させないためには「清潔の維持」が第一!
今回は、家に虫がわく原因についてご説明した上で、虫の発生を防ぐための対処法について解説してきました。
虫を発生させないためには、清潔な環境の維持が第一優先の対処法だと言えます。虫が発生しやすいスポットはもちろん、家全体で清潔な環境を維持できるよう、こまめな掃除を徹底するようにしてみてください。
この記事について
大邑政勝
- 家財整理専門会社エバーグリーン 代表
- 一般社団法人 家財整理相談窓口 理事
- 一般社団法人 日本特殊清掃隊 理事
特殊清掃、遺品整理、火災現場復旧など10年にわたる現場経験と多種の資格を有し、豊富なノウハウで顧客第一のサービスの提供に努める。