ベランダや庭先、玄関の前などでコウモリの死骸を見つけて、どう対処すればいいのか戸惑っていませんか。「そのまま捨てていいの?」「触っても大丈夫?」と不安になる方も多いはずです。結論からお伝えすると、コウモリの死骸は絶対に素手で触ってはいけません。
死骸には病原菌やウイルス、寄生虫が付着している可能性があり、感染症のリスクがあるからです。さらに、コウモリは法律で守られている動物のため、扱いには注意が必要です。この記事では、コウモリの死骸を安全に処理する手順から、知っておきたい法律のこと、死骸の責任の所在、そして天井裏にコウモリがいる場合の対処や消毒・消臭までを、特殊清掃の専門家がわかりやすく解説します。安全に対処するための参考にしてください。
Contents
コウモリの死骸は絶対に素手で触ってはいけない
コウモリの死骸を見つけても、絶対に直接手で触れないでください。コウモリの体や死骸、糞尿には、さまざまな菌やウイルス、寄生虫が付着している可能性があります。素手で触れると、感染症にかかるおそれがあり大変危険です。
コウモリが媒介するとされる病原体には、マダニ媒介感染症の原因となる寄生虫のほか、命に関わる感染症の病原体も含まれるといわれています。また、コウモリに寄生していたダニやノミが、宿主の死とともに周囲へ移動し、人を刺す被害を起こすこともあります。死骸を処理する際は、必ず防護対策を行いましょう。
「死骸だから菌はもう死んでいるのでは」と考える方もいますが、死骸に付着した病原体や寄生虫は、しばらくの間そのまま残っていることがあります。生きているコウモリはもちろん、死骸であっても油断せず、直接触れないことが安全対策の基本です。特に小さなお子様やペットが近づかないよう、見つけたらまず周囲を注意しておきましょう。
【重要】コウモリは鳥獣保護管理法で守られている
コウモリは「鳥獣保護管理法」によって守られている動物で、生きている個体を許可なく捕獲・殺傷することは法律で禁じられています。違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
そのため、生きたコウモリに対してできるのは「追い出す」ことだけです。忌避剤やハッカ油、光・音などで敷地から追い出しますが、追い出しの途中で誤ってケガをさせたり殺してしまったりすると、意図せずとも法律違反となるおそれがあります。なお、すでに死んでいる個体(死骸)を処分することは、捕獲・殺傷にあたらないため問題ありません。判断に迷う場合は、自治体の鳥獣保護担当窓口に相談すると安心です。
コウモリの死骸の責任は誰にある?発見場所別
コウモリの死骸を見つけたとき、処理の責任が誰にあるのかは、発見した場所によって変わります。下の表で確認しましょう。
| 発見した場所 | 処理の責任者・相談先 |
|---|---|
| 公道・公園など公共の場所 | 自治体・道路管理者(市役所に連絡で回収対応の場合あり) |
| マンション・アパートの共用部 | 管理会社・大家 |
| 自宅・私有地 | 所有者自身(自分で処理) |
公共の場所で見つけた場合は、市役所や自治体に連絡すれば、道路管理者による回収対応を受けられるケースがあります。一方、自宅や私有地の敷地内にある死骸は、原則として所有者自身が処理することになります。
コウモリの死骸の正しい処理手順
自宅や私有地でコウモリの死骸を処理する場合は、感染症を防ぐため、必ず次の手順を守りましょう。
① ゴム手袋・マスクを着用する
病原体を吸い込んだり、皮膚に触れたりしないよう、必ずゴム手袋とマスクを着用します。可能であれば、使い捨ての手袋を使うとより安全です。
② ビニール袋に二重に密封する
死骸を新聞紙などでくるみ、ビニール袋に入れます。菌や体液が漏れないよう、袋は二重にしてしっかり口を縛りましょう。使用した手袋や新聞紙も一緒に密封して処分します。
③ 自治体のルールに従って処分する
多くの自治体では、適切に包装したコウモリの死骸を燃えるゴミとして処分できます。焼却によって病原体が死滅するためです。ただし、二重包装や単独での排出など条件を設けている自治体もあるため、事前にお住まいの自治体のルールを確認しておきましょう。
④ 死骸のあった場所を消毒する
死骸を撤去したら、あった場所とその周辺をアルコールや消毒剤でしっかり消毒します。病原体や寄生虫が残らないよう、念入りに行いましょう。
コウモリの死骸を放置するリスク
コウモリの死骸を放置すると、次のような問題が生じます。見つけたら早めに処理することが大切です。
- 悪臭:腐敗が進み、強い臭いを放つ
- ウジ虫・ハエの発生:死骸にハエが産卵し、ウジ虫が発生する
- 病原菌・感染症:死骸や周囲の菌が、感染症の原因になる
- 寄生虫・ダニの拡散:寄生していたダニが宿主を失い、人へ移動して吸血被害を起こす
特に、コウモリに寄生するマダニは感染症を媒介するおそれがあるため、放置は禁物です。死骸だけでなく、その周辺の消毒まで行うことで、被害を防げます。
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コウモリのフン(グアノ)がもたらす被害
コウモリが住み着くと、死骸だけでなく「フン害」も深刻な問題になります。コウモリのフンは「グアノ」とも呼ばれ、次のような被害をもたらします。
- 健康被害:フンに含まれる病原菌が、乾燥して粉塵になると吸い込むリスクがある
- ダニ・害虫の発生:フンにダニやゴキブリなどの害虫が集まる
- 悪臭:大量のフンから強い異臭が発生する
- 住宅被害:天井にシミができ、放置すると建材が傷んで腐食することもある
コウモリは同じ場所に繰り返しフンをする習性があるため、住み着かれると短期間で大量のフンがたまります。フンの清掃は、健康被害を防ぐためにも、手袋・マスクを着用して慎重に行う必要があります。
天井裏・屋根裏にコウモリがいる場合の対処
死骸を見つけたということは、その周辺や天井裏・屋根裏にコウモリが住み着いている可能性もあります。コウモリは屋根裏や換気口のわずかな隙間から侵入し、住み着くとフン(グアノ)による被害を引き起こします。
天井にシミができたり、原因のわからない異臭がしたりする場合、その発生源がコウモリのフンや死骸であることもあります。コウモリが住み着いている場合は、鳥獣保護管理法に則って追い出したうえで、フンの清掃と侵入口の封鎖を行う必要があります。ただし、追い出しには法律上の注意点があり、フンには病原菌が含まれるため、無理をせず専門業者に依頼するのが安全です。専門業者は「現地調査→追い出し→フン清掃→侵入口の封鎖」という流れで、再発まで防いでくれます。
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コウモリのフン・死骸の消毒・消臭が重要
コウモリの死骸やフンを取り除いたら、必ず消毒・消臭まで行いましょう。コウモリのフンには病原菌が含まれており、乾燥して粉塵となったものを吸い込むと、健康被害を引き起こすおそれがあります。単に取り除くだけでなく、しっかり消毒することが欠かせません。
また、フンや死骸による臭いが天井裏や建材に染み込むと、家庭用の消臭剤ではなかなか取り切れません。においが残ると、別のコウモリや害虫を呼び寄せる原因にもなります。汚染がひどい場合や天井裏など手の届かない場所は、専門的な機材と技術で消毒・消臭・原状回復を行える専門業者に依頼するのが確実です。
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コウモリを寄せつけない予防・侵入対策
コウモリの被害を防ぐには、そもそも家に侵入させないことが最も重要です。一度住み着いた場所には再び別の個体が入り込みやすいため、次の対策を行いましょう。
- 屋根裏・換気口・軒下などのすき間を、ネットやシール材でふさぐ
- コウモリが嫌う光や超音波、忌避スプレーを活用する
- 侵入口は、コウモリが完全にいなくなってから封鎖する
- フンや汚れは早めに清掃・消毒し、においを残さない
コウモリはわずか1〜2cmほどのすき間からでも侵入します。侵入口を見落とすと再発するため、確実な封鎖が必要です。自力での対応が難しい場合や、確実に再発を防ぎたい場合は、専門業者に依頼するのが安心です。
コウモリの死骸に関するよくある質問
Q. コウモリの死骸は自治体が回収してくれますか?
A. 公道や公園など公共の場所であれば、市役所に連絡することで道路管理者による回収対応を受けられる場合があります。自宅や私有地の場合は、原則として所有者が処理します。多くの自治体では燃えるゴミとして処分できますが、包装方法などのルールを事前に確認しましょう。
Q. 生きたコウモリが弱って落ちていました。どうすればいいですか?
A. コウモリは鳥獣保護管理法で守られているため、捕獲・殺傷はできません。素手で触らず、自治体の鳥獣保護担当窓口に相談しましょう。感染症のリスクもあるため、不用意に近づかないことが大切です。
Q. 天井裏のコウモリのフンは自分で掃除していいですか?
A. フンには病原菌が含まれ、粉塵を吸い込むリスクがあるため、必ず手袋・マスクを着用してください。量が多い場合や天井裏など手の届かない場所は、消毒・消臭まで対応できる専門業者への依頼をおすすめします。
まとめ|コウモリの死骸は素手で触らず、消毒までが大切
コウモリの死骸には病原菌や寄生虫が付着している可能性があるため、絶対に素手で触らず、ゴム手袋とマスクを着用して処理しましょう。ビニール袋に二重に密封し、自治体のルールに従って処分したうえで、あった場所は必ず消毒します。また、コウモリは鳥獣保護管理法で守られており、生きた個体の捕獲・殺傷はできない点にも注意が必要です。
死骸の周辺や天井裏にコウモリが住み着いている場合は、フン害や再侵入のリスクもあります。フンには病原菌が含まれるため、清掃・消毒・消臭までしっかり行うことが大切です。エバーグリーンでは、コウモリのフンや死骸による汚染の清掃・消毒から、染み付いた悪臭の消臭・原状回復までを対応いたします。コウモリの死骸やフン、異臭にお困りの際は、お気軽にご相談ください。
この記事について
大邑政勝
- 家財整理専門会社エバーグリーン 代表
- 一般社団法人 家財整理相談窓口 理事
- 一般社団法人 日本特殊清掃隊 理事
特殊清掃、遺品整理、火災現場復旧など10年にわたる現場経験と多種の資格を有し、豊富なノウハウで顧客第一のサービスの提供に努める。






