2017年11月8日
11月に入り、今年もあと2か月となりました。猛暑という程ではありませんでいたが、暑い夏が終わり冬へと向かってます。
暑くなり始めた頃から特殊清掃の問い合わせが増え、見積も1日に2件、多い日で3件の特殊清掃の見積に行った日もありました。
見積は実際に室内の状況を見て確認をする必要があるので、何件もそういった部屋に行っていると、その部屋の住人の方の
人間像が見えてきます。特殊清掃が必要な現場は孤独死が殆どですが、必ずしも突然死による孤独死だけとは限りません。
自殺の部屋もありますし殺人の部屋もあります。
練炭自殺を行った部屋は目張りが窓や扉にしてあるので直ぐにわかります。殺人の現場は殺傷事件でもない限りは部屋中が血まみれと
いうことは無いので分かりずらいです。
何れにしろ、人が死ぬと遺体の腐敗が始まります。腐敗の進行は、時期的な要素、性別、年齢、体格、室内環境によって変わってきます。
夏場のエアコンの稼働していない部屋では腐敗の進行は早いですし、冬場でエアコンが稼働してた部屋や、こたつの中、床暖房は設置
されている部屋では、腐敗の進行は早いです。
私がこの数か月に行った特殊清掃作業は、40代、50代の男性の部屋が多かったように思います。女性の部屋は無かったです。
また、殆どのケースが室内がごみ屋敷状態であった事。部屋に引きこもり、カップ麺やコンビニ弁当ばかりの食事、お風呂には入らず
万年床で寝ているだけの生活。当然、地域コミュニティーとは一切の接触は取っていないと思います。
我々のような特殊清掃業者の作業が必要になるまで、遺体が腐敗してしまうのは、この様な生活習慣の方です。
地域コミュニティーと接触のある方は、かりに部屋で容体が悪くなっても近状の誰かが気付いてくれたり、出社してこない会社側が
異変に気付き部屋に来てくれたりと、助かる可能性が高くなり孤独死してしまう事は無くなります。
不幸なことに、誰にも気づかれず時間が経ってしまうと腐敗が始まり臭いが発生します。数日でウジが発生してハエになります。窓一面にハエが集まり真っ黒になっている事もあります。
人は死んでしまうと話すことが出来ません。特別な能力のある人でない限り、死者の言葉を聞くことはできません。
言葉を発することが出来ない故人は
「だれか、こんなになってしまっている私を助けて!」と無言のメッセージを発する術として、臭いを出したり虫を発生させたりして
自身の異常事態信号を発信しているのです。
自殺をしてしまった人も、どこかに必ずメッセージを残しています。特殊清掃後の遺品整理時は、そのメッセージを見つけてあげる事も
我々の役割だと思ってます。
故人の最後の整理を行うのが我々、特殊清掃人の仕事です。